【本質が分かる】業務日報の書き方・3つのテーマ~例文は無意味・新人さんでも量産可能~

【本質が分かる】業務日報の書き方・3つのテーマ~例文は無意味・新人さんでも量産可能~
悩む人
日報に何を書いていいのか分かんない。。
なんで書かなきゃいけないんだ?面倒くさいなぁ。
どう書けば評価されるんだろう・・?

「業務日報」というと、新人研修などを思い浮かべますね。私も若い頃、いやいや書いていたことを思い出します。

しかし、指示を受けてから内容を考えたり、例文を探しているようでは、報告書の作成能力が向上しませんし、報告を受ける側からしてもメリットは望めません。

筆者は、業務歴20年、現役のシステムコンサルタントです。

進捗管理や業務改善など、プロジェクトマネジメントに関する多様な業務経験があります。

その経験上、業務報告がどうあるべきか、効果の出る良い報告がどういうものなのかについてのノウハウがあります。

今回の記事では、業務日報に「何を」「どう書く」か?という問題に対して、本質的な考え方と、良い報告書を作成するためのポイントを解説しています。

この記事を読めば、

  • 何を目的として書くべきか?
  • どんな内容を書くべきか?
  • どういう手順で書くべきか?
  • 上手に書くために何をすべきか?

といった知識がすべて身に付きます。

業務日報について、一生役に立つ考え方と手順を理解して、意味のある業務日報を量産できるようになりましょう。

目次

業務日報を作成する目的・必要性

業務日報には、主に下記の3つの目的があります。

その①:上位の報告書の材料を提供すること

ほとんどの場合、業務日報には上位の報告書があり、一人一人の業務日報の内容を集計し、全体の報告書に反映します。

報告を受けた管理職なり、プロジェクトマネージャーなり「報告を受ける人」が日々とりまとめを行うのです。

ですので、業務日報を作成する際には、「報告を受ける人」が上位の報告を作成しやすくなるよう書く必要があります。

上位の報告書の例

  • プロジェクト進捗報告 ・・・ 業務日報から各担当者の作業成果を取り出し、プロジェクト全体の進捗管理表に反映する
  • 作業実施確認 ・・・ 健康チェック、清掃確認、安全点検など、所定の作業を実施しているかを取りまとめる
  • 新人研修/社内研修の報告 ・・・ 参加者が、所定のカリキュラムを履修しているか、期待するノウハウを習得しているかなど、成果を取りまとめる

その②:作業効率を上げること

業務日報を作成しなくても、作業はできます。しかし、目標を立て、評価や報告を行った方が、生産効率が上がります。

当然、報告の必要がなければ、「サボる」人も出てくるでしょう。

その際、「指示➔計画➔作業➔報告➔評価」といったルーチンを素早く回せるほうが生産性向上の効果が高くなります。

その③:問題点を早期に発見すること

業務日報において、作業中に発見した課題・問題点の報告は必須です。

問題点は、なるべく早く発見・解決し、プロジェクト全体への影響を小さくする必要があるからです。

業務日報に書く内容 ~ほぼテンプレート~

業務日報に記載する内容は、組織や業務により多少異なりますが、ほぼ、下記の内容で間違いありません。

テンプレートのようなものですので、どの組み合わせであっても対応できるようにしましょう。

必須の内容

本日の作業報告

作業成果か、作業内容のいずれかを記載します。

作業成果を記載する場合は、作業の結果完了した生産物の名前と量を列挙します。その際、計画に対する進捗度合(予定通り・遅れ)も記載します。

作業内容を記載する場合、どのような作業を何時間行ったかを記載します。書き方は、箇条書きか、すべての作業を時系列順に並べる方法もあります。

この場合は、休憩時間や、業務外の時間を記載するかどうかは確認が必要です。

問題点・相談事項

作業の実施中に気づいた問題点などを記載します。

可能であれば、予定の作業を妨げる要因を先に発見し、報告できればベターです。

必須ではないが記載することが多い内容

本日の予定

本日の作業予定か、目標とする成果(成果物の量)を記載します。

予定を立てると、事前チェックができるため、認識違いが減り、生産性が向上します。

研修・教育目的の場合でもカリキュラムを事前に把握すれることで、教育の成果向上が望めます。

所感(感想・自己評価など)

その日1日の作業内容について、簡単なまとめと、報告者自身による一次評価を記載します。

個人的な感想を含めてよいかは、報告の目的により変わります。

明日の予定

翌営業日の作業予定を記載します。

可能であれば、当日中に上司・マネージャーのチェックを受けましょう。

「明日の予定」は、内容の承認が得られれば、そのまま翌日分の「本日の予定」に転記できます。

伝わる業務日報の書き方と手順 ~新入社員でもネタ切れはありえない~

①目的・記載内容・書式を確認する(初回・随時)

業務日報を作成する前に、まず、その報告書が何のために必要なのかを確認します。

目的により、記載の内容は異なります。

事前に確認する内容

  • 書式に指定があるか?
  • 書く内容に指定があるか?
  • 自己評価・感想を書く必要があるか?
  • 個人単位で作成するか?チーム単位で作成するか?
  • 報告の提出先と承認フロー(事前・事後)

②本日の予定を記載する(始業前または前日)

作業開始前または前日に、本日の予定を記載します。

前日終業時点で、「明日の予定」として、上司・マネージャーと認識合わせしておくことよいでしょう。

「本日の予定」に記載する内容

  • 作業内容と所要時間
  • 予定する作業成果と量
  • 予定に空きができた場合に、代わりに実施する作業

③作業内容/作業成果を記載する(必須)

作業内容/作業成果を記載します。

作業内容を書き方く場合には、内容を箇条書きする場合と、時間軸に沿って記載する方法があります。

④一次評価(自己評価・感想など)を記載する

本日実施した作業に対して、報告者自身による評価を記載します。

評価対象が作業成果である場合は、作業時間・生産物の量・品質が予定をクリアしたかどうを簡潔にまとめましょう。

研修の成果など、評価対象が報告者自身である場合は、自己評価や感想を書きます。

⑤課題・問題点を記載する(必須)

作業中に気づいた問題点や、予定している作業の障害になる要素を記載します。

問題がなければ、「問題なし」と明記します。※重要

⑥明日の予定を記載する

明日実施する作業内容や成果を記載します。

⑦見直し

誤字・脱字・数値の誤り・体裁・読みやすさをチェックします。

業務日報は、上位の報告書のインプットになりますので、数値の誤りには特に気を付ける必要があります。

※フォーマットが必要な場合は、業務日賦のExcelテンプレートを配布していますのでご利用ください

業務日報・Excelテンプレート・個人・汎用・承認あり

業務日報・Excelテンプレート・個人・フリー・承認あり

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業務日報の記載量の目安 ~書く時間も読む時間も管理コスト~

業務日報は、報告者が書く時間も、報告を受ける人が読む時間も、会社から給料を支払われた「管理コスト」です。

管理コストは、正確さを損なわない程度に低く抑える必要があります。

業務日報作成のおおよその目安を記載します。

文章の量:A4用紙1枚で収まる程度

業務日報のボリュームは、A4用紙1枚に収まる程度にしましょう。

量が多いと読むのが大変です。簡潔に、必要な情報が短時間で読み取れることが重要です。

もし、体裁を気にしない組織であれば、メールやチャットなどを使って、テキストで3行~5行程度で報告してもよいでしょう。

作成時間:10分程度

作成時間の目安は、原則10分程度です。
(パソコンで作成することを前提としています)

当然、A4・1枚分のレポートを10分ですべて書いて、見直すことは不可能です。

しかし、

  • 作業予定をあらかじめ書いておく
  • 業務中に作業内容や問題点をメモしておく
  • 業務中に気づいたことや感想をメモしておく

など、業務終了時点で報告書の元になる文章が揃えておけば、あとは、不要な箇所を整理し、明日の予定をリストアップするだけです。

内容が正確で、管理コストの低い報告を目指しましょう。

読む時間の目安:1分(長くとも5分以内)

一般的に、報告を受ける人は、報告する人よりも、多くの業務を持っています。

加えて、当日分の作業集計、翌日の予定チェックを行うとなると、マネージャーは残業して当然ということになります。

そのような負担を減らすために、業務日報は十分簡潔に、読みやすく(情報を取り出しやすく)書いてある必要があります。

最初から最後まで全部読んで、頑張って解釈しなければ何を言いたいのか分からないような文章はNGです。

もし、情報量が多くて、長文になってしまう場合は、本文と簡単な「まとめ(サマリー)」を分けてもいいでしょう。

業務日報を上手に書くためのポイント

次に、良い業務日報を書くためのポイントを何点かピックアップしておきます。

これらのポイントを押さえておけば、何を書こうか悩んだり、無駄な報告書を書いてしまうことはありません。

目的に合っていること

どのような内容を記載するか、事前にきちんとヒアリングしましょう。

業務日報に「何を書くのが正しいのか?」は、業務日報を作成する目的によって異なってくるからです。

単に生産量の数字が欲しい場合もあれば、感想や考察を重視する場合もあります。

もし、前例がある場合は、前例を取り寄せて踏襲するようにしましょう。

読みやすく書く(情報が読み取りやすいということ)

「読みやすい」報告書とは、報告を受ける人が欲しい情報が、簡単に読み取れるということです。

読みやすい報告内容の例

  • 書式がきれいで、どこに何が書いてあるのかが分かりやすい
  • 項目と、内容が一致している
  • 目標・成果が数字で書いてある
  • 箇条書きで書いてある
    (箇条書きは1行で、リストの各行の書式をそろえる)
  • 「対象+成果+評価」の順で書いてある
    (例)・テスト項目作成…100項目作成(予定通り)

よくある間違いとして、作業成果と、簡素うが混ざっていたり、項目と内容が一致しないことなどがあります。

作業の進捗を知りたい時は「作業成果」欄だけ読めば分かる。問題点を知りたい時は、「課題・問題点」欄だけ読めば分かるように書いてあるのが、正しい報告書です。

評価しやすく書く(報告者が一次評価していること)

進捗が遅れているのか?問題があるのか?一見して分かるように、一次評価を簡潔に記載しておきましょう。

報告を受ける人が、「その状況って良いの?悪いの?」と思ったり、誤解してしまうような書き方はNGです。

評価しやすい報告の例

  • 一次評価が書いてある ・・・ 良い・悪い、等
  • 目標と成果の比較がしてある ・・・ 達成・未達、等
  • 数値で評価してある ・・・ 量が多い・少ない/率が高い・低い、等
  • 時間に対する比較がしてある ・・・ 予定に対して進んでいる・遅れている・〇日でリカバリ可能、等
  • 一般的な指標に対する比較してある ・・・ 標準的な量に対して多い・少ない、標準的な期間に対して早い・遅い、等

研修のレポートなど、評価対象が自部自身である場合は、理解できた点・できなかった点、頑張った点などはきちんと書いておきましょう。

自己評価が間違っていたとしても問題ありません。「考え方が間違っているよ。」という指摘も可能です。

問題点が明確で対策が立てられる

作業を実施する上で障害となるようなことや、上司や顧客の判断が必要な問題は業務日報に書いて報告します。

報告の際には、問題点をきちんと整理してから報告するようにしましょう。

報告の際に整理する内容

  • 問題点が明確になっている
  • 問題の影響範囲が明確になっている
  • 問題の解決策が検討してある
  • リカバリーにかかるコストが算出してある
  • 問題点が解消するまでの代替作業が検討してある

状況判断を丸投げしてはいけません。報告先の人の負担を増やしてしまいます。

まとめ

  • 業務日報の目的は「上位の報告書の材料」「作業効率を上げる」「問題の早期発見」の3点
  • 業務日報の内容は、「活動内容」か「活動成果」
  • 課題・問題点の報告は必須
  • 業務日報を書く時間も読む時間も管理コスト、早く・正確に・読みやすく書く
  • 読みやすい業務日報とは「情報を読み取りやすい業務日報」のこと

報告をするあなたが「何を書いたら、評価が上がるだろうか?」などと気にする必要はありません。

新人研修であれ、業務報告であれ、報告を受ける人の仕事を楽にし、力になる事ができれば、自然と評価は上がります。

それよりも、業務日報を上手に活用して、業務や研修の効果を高めることを心がけましょう。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

(今村)

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