- 2022/8/21 – 『MECE』の活用事例『WBS(Work Breakdown Structure)』を紹介しています。 NEW
本当に役に立つんならきちんと覚えたいな。
MECE(ミーシー)とは、課題が「モレなく・ダブりなく」整理されている状態です。MECEな状態を保つことはビジネスににおいて非常に重要です。
この投稿では、MECEとは何か?、MECEの用途、MECEの分析方法を解説します。
MECEは広く役に立つ考え方ですので、きちんと身に着けてビジネスに活用しましょう。
別のサイトの解説を読んで挫折した人も、この解説なら簡単に理解できます。
目次
MECEは、何と読むのか?知らないと恥ずかしい
MECEは「ミーシー」または「ミッシー」と読みます。
筆者も、両方の読みを使っている人に会ったことがありますし、どちらを使っても問題ありません。
実は、MECEを考案したマッキンゼー・アンド・カンパニーのバーバラ・ミント氏本人は、「meece(ミース)」と呼ぶよう主張していましたが、その後撤回しています。
また、英語の一般的な発音は“Mee-cee“で定着しているのことですので、それに倣って「ミーシー」と呼ぶのが無難でしょう。
MECE(ミーシー)とは?「モレなく、ダブりなく」課題を整理すること
MECE(ミーシー)とは、ロジカルシンキング (論理的思考) の代表的な手法であり、
情報や思考が「モレなく、ダブりなく」整理されていることを指します。
アメリカのコンサルタント会社、マッキンゼーマッキンゼー・アンド・カンパニーのバーバラ・ミント氏により提唱されました。
MECEは、
- Mutually ・・・ 互いに
- Exclusive ・・・ 排他的
- Collectively ・・・ トータルで
- Exhaustive ・・・ 余す所のない
の頭文字をとった造語です。
MECEとは、上の図のように、部分集合が互いに排他的で、その和が全体集合に等しくなる状態です。
MECEであると下記のようなメリットがあります。
MECEであることのメリット
- 物事を論理的に整理できる
- 課題や問題点が明確になり、戦略が立てられる
- コストや人員など、判断に必要な情報が得られる
MECE(ミーシー)でないと何が問題なのか?
ビジネスにおいては、常に、
- 成果を上げること
- 期間とコストを守る事
を要求されます。
MECEでない状態で業務を行うということは、「モレがある状態」「ダブりがある状態」で作業を行ってしまうということです。
予測や計画にモレや、ダブりがある状態で作業を行えば当然、
- 予測が当たらない
- 機能が不足している
- 納品にミスが多い
- 見当違いで、やり直しが発生する
などのトラブルが発生します。結果として、追加費用、納期遅延、信用の失墜などに繋がります。
ですので、ロードマップの作成、機能設計、見積もりなど、事前準備の段階で課題をMECEに整理できることが、ビジネス成功のカギとなるのです。
MECEは誰が使うものか?~管理職・設計担当など広く活用すべき~
MECEはコンサルタントやマーケターなど、プランニングを行う職種で頻繁に使用されます。
また、ロジカルシンキングやフレームワークというと、コンサルタントや経営層が使用する遠い存在のようにも思えます。
しかし、実はそうではありません。
課題をMECEに分類し、正確な見通しを立てる能力は、次のような、計画・予測を立てる必要のある人には必須のスキルと言えます。
- 管理職・リーダー
- 設計担当
- 見積もり担当
- 発注担当
具体的には、下記のような作業を行う際に、MECEな情報提供が要求されます。
- 経営層にロードマップを示す
- 顧客に、見積もり提示する
- コストや人員などの予測を立てる
- 必要な機能や作業を洗い出す
- 作業者に正確な作業内容を提示する
MECEは幅広い職種に求められる必須の考え方と言えます。
ロジカルシンキング(論理的思考法)による課題の分析
ロジカルシンキングとは、課題に対する結論を導き出す際に、論理的で筋道の立った思考法を使うことです。
MECEはロジカルシンキング中でも中心的な考え方です。
MECEを実現する分析法として代表的なものに「トップダウンアプローチ」と「ボトムアップアプローチ」があります。
トップダウンアプローチによる分析
トップダウンアプローチとは、ロジックツリーを使って、分析対象の物事を全体から詳細に向かってブレークダウンする分析法です。
ゴールが明確な場合や、業務ノウハウがある場合など、分類方法が事前に分かっている場合に有効です。
トップダウンアプローチの分析手順
- 全体の要件を決める
- 大きく分類する
- 分類の中で必要な要素を洗い出す
- 必要であれば、要素をさらに細分化する
トップダウンアプローチのメリット
- 体系的に課題を整理することができる
- 構造的な分析ができる
- ゴールが明確な業務の場合、モレが少ない
トップダウンアプローチのデメリット
- ノウハウのない未知の分野には向かない
- スタート直後など前提がはっきりしない状況では予測精度が低い
ボトムアップアプローチによる分析
ボトムアップアプローチとは、新しい課題に挑戦する場合など、明確な基準やノウハウがない場合に使用する分析方法です。
まず、思いつくアイディアを列挙する「ブレーンストーミング」から初めて、徐々に課題を分類し、全体像を整理していきます。
ボトムアップアプローチの分析手順
- 思いつく限りのアイディアを書き出す
- アイディアをグルーピングする
- グルーピングの過程で気づいた課題を追加しモレを補う
ボトムアップアプローチのメリット
- 未知の分野でも課題の整理を開始できる
- 突き抜けたアイディアが出やすい
ボトムアップアプローチのデメリット
- 構造的でないため、モレに気づきにくい
- 分類の仕方を間違うと重複が発生しやすい
MECEな課題整理を実現するには、トップダウンアプローチで課題を分析するのが原則です。
一方、未経験の領域や、新しいアイディアを生み出したい時などにはボトムアップ的なアプローチで分析を開始し、徐々に体系的な分析法に切り替えていくのが有効です。
MECEのプロジェクト管理への応用 NEW
プロジェクト管理を行うにあたっては、工数見積もり、スケジューリング、作業の進捗管理など、課題を「モレなく、ダブりなく」リストアップする必要性が出てきます。
そのような場合、通常、WBS(Work Breakdown Structure)という手法を用いて課題の洗い出しを行います。
「MECE」は、そのWBSを実現するための中心的な考え方なのです。
次の投稿で「WBS」の手順について詳しく解説しています。プロジェクト管理を行う方はきちんと理解しておきましょう。
まとめ
MECEは広く活用できる考え方ですので、皆さんのビジネスにぜひ役立ててください。
- MECEの読みは「ミーシー」と呼ぶのが無難
- MECEはロジカルシンキングの中心的な考え方で「モレなく、ダブりなく」課題を整理すること
- MECEな状態は計画の精度が高く、ビジネスの成功につながる
- ノウハウがある場合は、トップダウンアプローチで分析する
- 未経験の分野にはボトムアップなアプローチで分析する
業務ノウハウや深い理解があるとトップダウンアプローチを使った正確な予測を立てられるようになります。
ただ漫然と業務をこなすのでなく、PDCAやKPTなど改善活動を積み重ね、トップダウンアプローチができるようになる所まで分析能力を高めましょう。
読了ありがとうございました 。
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